第六話 1月19日 2回目のオフ会
1月19日(水)
翌日、俺は池袋に向かった。
「よお、兄貴~よく来たな」
「まいどお、飛行機乗り遅れるかと思ったわ」
「マオさん、にーやんお疲れ様です~」
ちょうど3か月前、俺たちはオフ会をしたんだった。
やんと兄貴と3人で。
でもなんでいきなり3か月前に飛んでんだ?俺がプログラムを触ったからか?
ちなみに今日は結構体調がよくない。
背中は痛いし、手が震えてる。
まあ、早いとこ酒飲んで誤魔化すか。
「マオさん顔色悪い感じしますけど大丈夫すか?」
「大丈夫やって!酒飲んだら治んねん」
「マオ本当に顔色悪いで。無理せん方がええんちゃうか」
「大丈夫やって言ってるやん。ほら、手が震えなくなってきた」
「あとで痛い目見ても知らんからな。ちゃんと病院いけよ」
「なんで病院なんていかなあかんねん。精密検査なんやから、絶対入院とかになんねん。配信できないなら死んだ方がましやし」
「お前がそんなんだから周りから心配されんねんで。しっかりせえや」
酒を飲んだら本当にましになってきた。これで今日は乗り切れるだろ。
折角今日は兄貴も来てくれてるしな、飲まねえと損だろ。
そういえば。
俺の記憶の中のオフ会とほぼ同じだけど、少し違うな。
この前は兄貴はそんなに心配してこなかったような?勘違いかもしんねえけど。
まあいいか。今日はこの2回目のオフ会を楽しむとしよう。
===
結局、その他は特に変化のないオフ会だった。
やんがやたらと心配そうに声かけてくるのがすこしうざかったくらいか?
そして前回と同じく兄貴と家に帰ってきた。
あ、今の兄貴になんか聞いてみるか?
3か月前から来ていることもちょっと言ってみるか。どんな反応されるかわかんねえけど。
「そういえば、マオに1個言っときたいことがあんねんけど。俺今後しばらく配信休止しようかと思ってん」
そうだった。兄貴とやんそろってこの後休止するんだったな。
でも前回のオフ会では言ってなかったよな?俺がいじったから少し過去が変わったとか?
ここは平静を装って対応するか。
「は?休止ってどういうことなんだよ。なんかあったのか?」
「いや、ちょっと最近体調悪くてな。盲腸なりかけってのもあって」
「盲腸なん?今日そんなんで酒飲んで大丈夫なんか?」
「大丈夫、大丈夫。うまいもん食って酒飲めば治んねん」
「wwwまあ困ったらなんでもいえや。休止中でもなんかあれば言えよ。必要なもんあったら届けてやるし」
「おう、助かるわ。まいどお」
よし。ここでいっとくか。
「なあ、全然関係ない話なんやけど、俺実は…3か月後から来てんねん」
「は?お前ついに頭おかしくなったんか。」
「信じられねえかもしれねえけど、本当なんだよ」
「ほお、で?3か月後から来たお前は何がしたいねん。過去でも変えるつもりか?」
「いや、急にここに飛ばされたから何かヒントがあるんじゃないかと思って。3か月後のお前きもいんだよ」
「人に向かってきもいってなんやねん。未来の俺がどんなんなっとるか知らんけどそれはないやろ」
「いや、マジできもいって。変な機械とか作ってんだぞ。今回もそれで飛ばされたし…」
「ほーん、俺はなんか機械作るんか。でも俺機械とかよう知らんからな。まあ酒寝のだれかに聞けば詳しいやついるんちゃう」
「やんが作ってたらしいぞ。あいつIT系の会社にいるからな」
「なるほどな~やんにも声かけて機械?作ってみるか。てかマオが俺にこのこと伝えたら未来変わるんとちゃう」
「ん~それがわかんねんだよな。難しいことはよくわかんねえし。まあ未来が変わっても死にはしねえだろ。まあもし何かあれば連絡くれよ」
===
翌日 3月20日(木)
朝から兄貴と酒を飲んで解散したら、夜にLINEが来ていた。
「2日間ありがとな。さっきやんちゃんから連絡あったんやけど、やんちゃんも休止らしいぞ。
前もって言っとくけど、俺は何もしてへんからな」
やんが?あのプログラムはあいつが自分で作ったってことか??
混乱しているとやん本人からLINEが来た。
「マオさん昨日はありがとうございました!また飲みましょう!
あと、急で申し訳ないんですがしばらく配信はお休みしようかなと思ってます。ちょっとリアルが忙しくて」
じゃあ黒幕は兄貴じゃなくてやんなのか?マジで訳わかんねえ。
やんとは仲いいけど、そんな心配されるような間柄でもないしなあ。
ひとまず二人に適当にラインを返してスマホを放り投げる。
こっちに来て少しずつ分かってきたこともあるけど、毎日毎日衝撃的過ぎて頭が追い付かねえ。
===
マオさんめちゃくちゃ具合悪そうだったし、どうにかして病院に連れていくことはできないかなー。
酒寝にはいってからずっと具合悪そうではあったけど、すごく心配なんだよな。
マオさんのことですごく詳しいといえば、やっぱり間宮さんでしょ。
「間宮さん、マオさん最近なんか体調わるいとか言ってませんでした?」
「いや、あいついつも酒ないときは体調悪いだろ。どうかしたん?」
「確かにそうなんすけど。昨日のオフ会で見てちょっと心配だなと」
「ほーん。まあ勝手にすれば。あいつが酒飲めないようにすれば、とりあえず肝臓は救われるんじゃね?知らんけど」
「確かに。とりあえずマオさん淡麗飲めないようにすれば肝臓への負担減る気がするのでなんか作ってみます」
「ほお。間宮さんちょっと忙しいから時間ないけど、なんかあったら言ってきな。なるべくLINEは確認するようにするわ。じゃ、頑張ってなー。おつ~」
琴さんって結構飄々としてるけど、しっかり意見は言ってくれるし本当助かるな。
淡麗ね~どうやったら飲むのやめてくれるんだろ。
マオさんのことだから、言っただけだと辞めないと思うし。
もういっそのこと何かプログラムでも作成してみるか?結構大変そうだけど。
えあちあたりなら何か知ってるでしょ。
明日早速聞いてみよう。
0コメント