第一話 淡麗が飲めなくなった日②

3月14日(月)

とりあえず腹減ったし冷蔵庫覗いてみるか……淡麗しかねぇじゃん。なんだこれ、やっぱりマオの家?

家を出てみると道路の向こう側にはにはファミマ。

雪もないし、これってホントにマオの家なんだな。地元と違って暖かいし。

とりあえずビールでも飲むか。淡麗の白でいいかな――――

『プシュッ』

暗転、急に目の前が真っ暗になった。

?!?

次の瞬間、俺たちはもとに戻っていた。

どういうことなんだこれ。今のでもとに戻ったってわけか?

取り合えずあいつに電話をかけてみるか。



「ああ琴?今俺自分の家に戻ったんだけど、、お前は?」

「俺も、淡麗の缶開けたら自分家にいた。」

「だよなあ、どうなっとるんだ。これ。わら。まあとりあえず酒飲むわ。」

「ほーい」

「そういえば琴、お前の部屋フィギュアめっちゃあるの本当だったんだな。」

「うるさいって。お前の部屋臭すぎ。酒の缶くらい毎日捨てろって。」

「臭くないやろが!次に入れ替わったらお前の部屋ん中で屁かますぞ」

「きもいて。やめろって。お前実が出るだろ。」

「意味わからんことに巻き込まれて疲れたからもう酒ないなったわ。」

「俺も。ちょっと酒もって来るわ。」

「俺は2本目も淡麗だわ。琴は?」

「俺も淡麗。マオが買ってきてたのが冷蔵庫にあった。」

「なるほどなあ。ま、とりあえず乾杯だな!」

『プシュッ』

暗転、急に目の前が真っ暗になった。

次に目の前を開けたときには、俺は淡麗を持ちながら琴の部屋にいた。

――――まじでどうなってるんだ?また最初に逆戻りじゃねーか。

ってことは、琴は俺の部屋に飛ばされたってことか。


「おい琴、お前また俺の部屋にいるか?」

「ん。そうだよ。相変わらずお前の部屋きたないな。」

「ふざけんな!お前の部屋荒らしてやるからな。」

「きも。やめろって。本当に」

「それにしても訳わかんねぇな。酒開ける度に入れ替わっとるぞ。俺ら。」

「まじでだるいな。マオ俺が仕事のときに酒飲むなよ。」

「は?できるわけないやろうが。てか、他の酒寝メンバーで入れ替わってるやつおらんのか?」

「ああ、どうだろうね…明日にーさん辺り聞いてみる?」

「おおそうするか。今日はまじで疲れたからこのまま寝るわ。」

「おう、サラダバー。おさしみ~。おれのスニーカーとか触るなよ。」


俺らはいったん寝ることにした。
この2日間は悪い夢だと信じて。

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