第一話 淡麗が飲めなくなった日①
3月13日(日)
朝起きたら俺はマオになっていた――――――
一瞬、いや、随分長い間夢ではないかと考えたが、どうやら夢ではないみたいだ。
いつものベッドではないし、服の柔軟剤も違う。
ベッドには枕もこんなにはないし、昨日着たパジャマも違う。
身長は同じくらいだからサイズは気にならないけど、服の趣味が全く違う。
チンピラが着るような服は趣味じゃないし。
そもそも俺は煙草を吸わないのに、なぜか灰皿には吸い殻がたくさんある。きもいって。片付けろよ。
いや、とりあえず鏡を見てみよう。そう思って風呂場にある鏡を見に行く。
――――――完全にマオじゃないか。ちょ、色黒いて。
しかも部屋自体全然違うじゃないか。
これは一体――――――
とりあえず、マオに連絡してみるか。
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急にいままでとは違う寒さに腕がつって起きた。なんて最悪な目覚め。
てか、部屋がフィギュアだらけだし、異常に寒いし着てる服も違うしなんだこれは。
とか言ってたら琴からLINEが来た。
「朝気づいたらお前の家にいたんだけど、お前はどこにいんの?」
お前もかよ。
じゃあ俺たちは入れ替わってるってことか?ほかのやつは?
北海道と埼玉で?きィーもいって。んなことあるか?『君の名は。』じゃないんだから。
口噛酒でも造れば戻れるか?
とりあえず落ち着いてタバコでも吸うか。いやあいつは吸わないんだった。めんどくせぇな。
タバコを買いに外にでると一面の銀世界が広がっていた。
ガチで北海道じゃねえか。本当に現実か?
とりあえタバコを買って戻るか。
いつも買ってる銘柄は、、あああった。ラッキーストライク。これがないと始まらないんだよな。
あとは淡麗の白を買って―――――
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