第十話 物語のはじまり
3月13日(日)
やっとこの日がきた。
今日はついに作戦決行の日だ。
当初の予定では15日のホワイトデーにする予定だったんだけど、マオが予定があるとか言い出すから
ちょっと早めに作戦を結構することにした。
さて、マオの部屋でも覗くか。
言っておくけど、男の部屋を覗く趣味はこれっぽっちもない。
相変わらずマオの部屋はぐちゃぐちゃで汚い。
昨日試しに覗いたけど、声もレオ〇レスとは思えないくらいの声量。本当ひくわー。
さっきDMしたらそろそろ飲むっぽいし、準備しておくか。
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10分くらい待っていると、マオが冷蔵庫から酒をとってきた。
でも淡麗じゃない。マオの手にはストロング。
もーなんしてん。ずっと待ってる身にもなれって。ぬるくなるだろ。
マオは浮足立った様子でプルタブを引き缶を開ける。
めちゃくちゃペースがはやい。
ものの数分で飲み切ると、次の缶を取りに行く。
その手には淡麗の白。
タイミングを合わせて一発で終わらせよ。間宮さん仕事できるし。
よし、いまだ。
カメラを見ながら同時に缶を開ける。
次の瞬間、俺はマオの部屋にいた。
うまくいってちょっとホッとする。
するとマオから連絡が入る。
マオも俺の部屋にいるみたいだ。
まあこれで暫くすれば酒の量も減るだろ。
みんなに成功の連絡をして、慌てたふりをさながらマオに合わせてリアクションする。
これって酒寝で1番大きい企画なんじゃね?
しばらくは嘘ついて過ごさないといけないけど。
もうちょっとしたらにーやんが病院に連れて行くし。
マオはいつ気がつくかなー。
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