第一話 淡麗が飲めなくなった日③

3月15日(火)
 
朝起きてもやっぱりもとには戻っていなかった。
人格は自分なのに見た目だけ入れ替わってるのってやっぱりなんか変だな。
 
とりあえず酒飲むか。
そういえば一人で缶開けたらどうなるんだ?
『プシュッ』
なにも起こんねえ――ってことは同時に開けないといけないのか。
じゃあ琴が仕事の時でも飲んで大丈夫だな。
まあとりあえずは兄貴に連絡するか。
 
「まいどぉ、なんやねん急に。これから彼女とデートやねんけど」
なんて気の抜けた返事。こっちは必死だっていうのに。
 
「おお、悪いな急に連絡して。
俺と琴が酒を開けるたびに入れかわっとるんだけど、兄貴なんか変わったことあったりしねえか?」
「なにゆーとんねん。訳わからんこと言うなや。俺はなんともなってへんよ」
「そうなん?わかったわ。もし酒寝でそういうやつが枠に来たりとかしたら連絡くれや」
「分かった分かった。ほなまた。お前の琴とお幸せに」
 
兄貴は入れ替わってないのか。
てかお前の琴ってなんなん。兄貴も謹慎にしてやろうか。
 
そんなことを考えていると琴から連絡が来た。
「いや、朝起きたら東京にいるんだけど、なんなんこれ」
 
は?どうなっとるんだマジで。
 
「誰かと入れ替わったん?誰の家なんそれ」
「いや分からん、家具からして女性っぽいけど」
「東京に住んどるやつはいっぱいいるからなあ、入れ替わったやつから連絡くるだろ。部屋の表札とかないんか?郵便物とか」

「あ、確かに。――これなかむらの家だわ。きもすぎ。どうなっとん。見た目なかむらは助からんって」

「wwwwwなかむらと入れ替わっとんのか。ドンマイ。まあ今のうちに東京で遊んだらいいんじゃねえか?」

「いやポジティブすぎるだろ、俺なかむらとだけは入れ替わりたくなかったわ~。どうせならヒナタが良かったわ~」

「ちょっとまて、お前東京にいるってことは新宿これるよな。とりあえず飲もうぜ」

「いやだから、俺なかむらの見た目なんだって。マジで家から出たくない。あいつの部屋酒めっちゃおいてあるし、オンラインで飲むでもいいだろ」 

「確かにな。じゃあちょっとなかむらにも連絡してみるか。なかむらの声でお前の口調ちょっと気に入らんな。早く戻せよ」

===== 

「マオさんお疲れ様です~なかむらです~。なんか朝起きたらマオさんの家にいるんですけど、、、
なかむらまた記憶なくしてました?!昨日は仕事だったので家に帰ってきたし、ちゃんと家で寝たと思ってたんですけど」
 
「黙れお前。俺の家荒らすなよ」

「ええ~さすがにそんなことはしないですよ」

「俺と琴だけ入れ替わってるだけかと思ったらお前も入れ替わってんのか。お前入れ替わる直前なんかしたか?」

「あ~ビール飲もうとしてました」
「淡麗か?お前俺のこと大好きやん。きもすぎ。わら」
「淡麗です~」
「なるほどなあ、多分淡麗を同時に開けたやつと入れ替わる感じだろうな。」
「なるほどなるほど、記憶失くしてなかったならよかったです!」
「お前謹慎な。今の反応気に入らん」
「えっ」
 
なかむらはやっぱりキモイ。
あいつは謹慎だな。3日間誰のコラボにも上がれなくしたるわ。
 
てか淡麗を飲んだら入れ替わるってことは、酒寝のメンバー間で淡麗禁止したほうがいいんじゃねえか?
俺だけ飲むならだれも入れ替わらんだろうし。
とりあえず枠でみんな招集して禁止令だすか。


酒寝グループ@REALITY 公式HP

ゆっくりしてけ?わら

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